マット・リーの闘う最強英語

神戸にある某進学校で英語教師として教鞭をとっているマット・リーが全国の受験生に贈る、難関国公立大学(東大、京大など)の英作文解説を中心とする英語学習に関するブログです。その他に、寺社の御朱印収集、旅行、グルメ、メジャーリーグなど、気の向くままに書き綴っていきます。

英語学習法

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マット・リーは今年が採用10年目研修にあたっていて、その一環として予備校や業者が開催しているセミナー等へ参加してもいいというものがある。ということもあり、8月8日、駿台教育研究所の夏期教育研究セミナー 「英作文」の指導 を受講してきた。朝10時前から5時ごろまでの長丁場であるにもかかわらず、約160人の英語教員が全国津々浦々から集まり講習を受けた。
 
講師はドラゴン桜のモデルになった竹岡広信先生。マット・リーは高2、高3の2年間英語を教えていただいた御縁もあり、いまだにこういった形でお世話になることが少なくない。ありがたい話である。
 
さて、テキストは1日のセミナーにもかかわらずかなり分厚く、25題の英作文が収録されていた。内容も京大、東大、阪大、早稲田、慶應の問題などいわゆる難関大学の英作文の問題が中心で、予習するのにかなりの時間を費やした。予習だけでノートが一冊になったが、この最初の予習と後の復習が大切であり、それをしない限り参加した意味がないと言っても過言ではないだろう。とりあえず、泣きそうになりながら予習も完成させて(笑)、授業に臨んだ。
 
 
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竹岡先生は、英作文の授業に関しては、必ず添削を入れて、そのコピーを使って授業を展開されているとのこと。しかも、同僚のイギリス人講師にバイト料を出して添削してもらったものを更に添削するというパターンを取っているらしい。そのイギリス人講師は日本に30年住んでいる方なので、和文英訳でも自由英作文でも、信頼のおける模範解答を作ってくれるそうである。
 
その生徒の添削答案を惜しげもなく75ページの冊子にまとめて参加者全員に下さった。そして、それだけではなく、全国の自由英作文の傾向をまとめた冊子、こちらも50ページあるのだが、を下さった。今年の夏はこれを使って、英作文の指導に生かすべく勉強させてもらおうと思う。
 
授業の内容を全てお伝えできればいいのだが、あまりにも膨大な量があるので、とりあえず私が日頃の授業で心がけていることで、先生もおっっしゃっていたことを数点紹介しようと思う。
 
英作文指導の心得<抜粋>
①好きな単語を使わせないこと!・・・・生徒の心理として、新しく習った単語、難しくてかっこよく見えそうな単語を使いたがるものだが、それは100%自信があるのでなければさせてはいけない。
 
②名詞を不用意に使わせるな!・・・可算名詞か不可算名詞か?単数形か複数形か?冠詞はaかtheか無冠詞か?などなど減点される箇所が多いにある。特に無生物主語の文を作るとミスをする可能性が高いのでできるだけyouなどを主語にした英文を書くように!
 
③文法は体系的に全て教える必要はない!・・・・不要な文法まで全て教える必要はない。例えば比較なら頻度の高い比較級+er than~とas~asを、グラフを使った問題をたっぷりやらせて教え込むとか、あるいはセンター試験の文法問題数百題を繰り返し繰り返しやらせて、英作文でも使えるようにしていくとか、文法の教え方にも工夫が必要。
 
④難しい日本語は削る!・・・・言語が全く違うわけだから、一対一の完全な翻訳は不可能。ごちゃごちゃ書いて英文が分かりにくくなるよりは、思い切って削る部分は削って、50~60%言いたいことを伝えられれば御の字。
 
⑤多読が必要!・・・・いい英文を書くためにはやはりたくさん読むことも必要。名古屋大の医学部に受かったある生徒は、とにかくストイックに多読を重ね、3000ページは軽く読んでいたとか。それだけ豊富な読書量があるため、120分の京大の問題でも1時間ぐらいでさらさらっと終わってしまい、しかも内容は文句なしだった。
 
 
 
などなど、英作文を指導していれば必ずぶち当たるポイントについても強くおっしゃっていた。改めて強く意識して今後の指導に生かしていこうと思う。
 

旺文社と神田外語グループが協力して運営している、英語学習サイト「英語のチカラ for Teachers」の中に、全国の英語教員を順に紹介していく「先生熱血Voice!」というコーナーがある。
 
 
 
そこでは各教員の写真付きで、英語教育に対する思いを記事にして掲載してあるのだが、なんとそこにマット・リーが掲載された。大いなる人選ミス???それとも、この世の崩壊へのプレリュード???(笑)まあ真相はいかにせよ、せっかく記事を書き載せていただいたわけだから、一人でも多くの人に読んでいただきたいと思う。当ブログ本邦初公開、「これがマット・リーだ!」とでも銘打っておこう(笑)。ぜひともご一読いただき、ご感想のひとつでもいただければ、執筆者としてこれ以上の喜びはない。Would you please check it out?
 
   
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 最後に、大学受験用の英作文対策を少々。まず、一冊英作文用の問題集を用意する。マット・リーが高3の夏休みに使った名著「コペルニクス英作文(研究)」の改訂版「ガリレオの英作文(プレイス)」、「英作文のトレーニング[入門編、実戦編、自由英作文編] (Z会出版)」、「STEP BY STEP 超基本パターン33 書ける!英作文(旺文社)」、「大学入試最難関大への英作文(桐原書店)」、「決定版 竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本(中経出版)」などの中で、先輩・先生のお勧めのもの、自分が使いやすそうなものを選ぶ。あるいは、ある程度英作文力が完成した人なら、志望大学の過去問の英作文のところだけ10年分コピーするのもいいかと思う。そして普通の大学ノートを1冊用意する。大事なことは、「ノートをけちらずに大胆に使うこと(英作文1題あたり見開きで2ページを使う。)」であるが、段階別にまとめてみようと思う。
 
[大学入試対策 英作文修行ノートの作成方法 ]
①左上に日本語を写すか、コピーしたものを貼り付ける。・・・日本語が書いてなければ効率が悪いが、日本語があれば復習の
際大変効率がいい。
②日本語の下の所に、とりあえず自力で解答を作ってみる。・・・できれば、違う構文、単語、表現を使って2種類ほど作るほうが効果的。なお、その際後で書き込んだり、添削してもらったりできるように、一行おきに書くことが望ましい。
③模範解答を見ながら、右ページ上段に使える表現、重要ポイント等を書き留める。・・・模範解答は、「こんな解答もあるんだ。」ぐらいで適当に納得しながら進めばいい。(同じレベルの解答を作ることは不可能だから。)なお、この際英英辞典を使って模範解答にある表現を調べてみるのもいいし、模範解答を書き写して何度も音読するのも効果的。
④自分の解答を先生に添削してもらう。・・・これが一番大切。学校でも塾でもどこでもいいので、なんとかして添削してもらえる先生を見つけて欲しい。特に初期段階においては、添削を入れてもらわずに独りよがりの英文を書いているだけでは、英作文力を飛躍的に伸ばすとは困難である。だが、トレーニングを積み重ねた後は独り立ちして自分で間違いを訂正できるレベルにならなければ難関大学への合格は厳しい。イメージとしては、ある程度実力がついて高3の夏場以降に自分で過去問をやり進めていく頃には自己採点できるようなレベルになっていることを目標にして欲しい。ただし、自分で辞書を調べたり、分からない点を整理してノートに書き留めるなどしてから添削を依頼するほうが、短期間に効率的に英作文力を伸ばすことができることを肝に銘じておくこと!

添削してもらった自分の解答、模範解答を見ながら、右ページ中段に自分の解答の訂正版を作る。・・・やりっぱなしではなくこのようにアフターケアをする

ことが大切。そして、それだけで終わらず、添削してもらってから最低でも3日以上あけてから、右ページ下部にもう一度答えを作成してみる。この復元解答を作って今度は自己採点を行う。案外、前回間違った箇所をまた間違ったりするものである。この時点で完璧な英文を書けなければ更に復習が必要ということ。個人的な感覚では、同じ問題を3~4回やればようやくミスのほとんどない安定した英文を書けるようになるはずである。

 
 
以上、大学受験を控えた高校生のみならず、大学生や社会人の方々が、ライティングの力をつけるトレーニングをするうえで参考にしていただければ幸いである。

理由4:実際に英文を書いてみる訓練が不足していた。
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 これは高校時代を通じて相当不足していたと思う。とはいえ、忙しい時間をやりくりして英文を書く訓練を重ねることは可能だったと思う。極端な話、毎日15分程度の訓練を続けることによって相当の効果をあげることが出来るはずだ。私が一番お勧めする訓練方法、それは英文で日記を書くことである。あれは大学3回生の後期だったと思う。就職活動を間近に控えて英語だけでもなんとかしなければならないと考えていた私は、まず手始めに英語で日記を書き始めることにした。普通の大学ノートに1日数行でもいいから何か書くようにしたわけだが、やはり書くのに慣れるまでは時間がかかった。そして、なかなか適切な単語、熟語表現が出てこないことも多々あった。そういう時は次のようにした。
①まず何も調べずに、他の表現で簡単に言い換えられないか考える。
②実際に下手でもいいからその考えた表現で書いてみる。
③英和辞典、和英辞典、時には英英辞典を使って言いたい表現を調べてみる。その際必ず赤や青などの目立つ色で、辞書の調べた部分に下線を引く。
④調べた内容をノートの欄外に簡単にメモする。
 
 英文日記をつけていけば、語彙力も増えるし書くことに対して抵抗がなくなる。私は当時でも1年半ほど書き続けたし、いったんストップしたものの渡米をきっかけに再開し、2年近くは続けた。もちろん毎日つけられずに1週間ほどまとめて書くこともあるが、続けることに意義があると強く信じている。とはいえ毎日続けるのは結構難しいので、1週間に2~3回、あるいは書きたいと思ったときだけでもいいと思う。また時には日本語を混ぜて、思ったことをぶちまけるストレス解消ノート的なものでもいいのではないかと思う。実際私は普段は一日数行しか書かなかったのだが、腹の立つことがあった日などは平気で1ページぐらい書いてしまった。要は書きたい内容があれば、下手でも何でも書けるということだろう。英作文力アップを目指す人(特に基礎的な内容をすでに学習した高校生)にはぜひとも挑戦していただきたい。
 ただし、中には「日記を書くなんてしょせん自己満足にすぎないじゃないか。誰かに見てチェックしてもらうわけでもないし、おもしろくないよ。」という人もいるかもしれない。そういう人にはメールで英語圏の人と文通することをお勧めする。
 
JAPAN PENFRIEND」       http://www.japan-guide.com/penfriend/
 
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いわゆる日本に興味のある世界の人とペンパルになろうというサイト。無料で最初に登録しなければならないが、相手とのメールはサイトを通じて行うので自分のメールアドレスを知らせずに交流することができる。何十回もメール交換してお互い直接メール交換をしたくなったら、サイト上でアドレスの交換をしてもいいかと思う。ただそれにしても、念には念を押して普段使っているものとは違うアドレスをG-mail,Hotmail, Yahoo Mailなどの無料サイトで作り、それを使用するほうがいざというときのために安心であるのでお勧め。自分のプロフィールを掲載して誰かがメールを送ってくれるのを待つのもよし。すでに掲載されているプロフィールの中で、気に入った人のところにメールを送るもよし。あるいは、掲載してあるいろんな人のプロフィールを読んで楽しむだけでもいいかと思う。プロフィールの多くは手紙に使われるような簡単な日常会話で書かれているので、非常に読みやすくてためになる。各国の生英語に触れるいいチャンスにもなるし、世の中には色んなタイプの英語を使う人がしみじみとわかるはず。楽しみ方はいろいろあるが、うまくいけば自分と趣味のあう人、話のあう人と英語でメール交換が出来るようになるかもしれない。そしてもしぺンパルが見つかったとして、その人が話好きの人だと必然的にメールも長くなり、英文の読み書きの絶好の訓練の場となる。これなら肩もこらないし、話がつながるかどうかで、自分の英語が通じているかどうかのチェックもできる。自由英作文対策にもなるし、気軽に自分のペースで英作文の訓練ができるのでぜひともお勧めしたいのだが、数点だけ注意して欲しいことがある。
 
[外国人のペンパルを作るときの注意事項 ]
 
①最初はあまり個人情報を流さないこと
 
 男性の場合はそれほど問題ないだろうが、女性の場合は特に注意を要する。残念なことに、世の中には下心丸出しでメールを送ってくる不届きな輩が少なからず存在する。特に「日本人女性は英語を母国語として話す外国人男性が声をかければすぐにひっかかる」的な先入観を持っている愚か者は危険である。判断材料は至ってシンプル。すぐ会おう、会おう(あるいはすぐに自分の個人アドレスはここだからここにメールを送って欲しい)と言ってくる輩は一番危ない。最悪の場合犯罪に巻き込まれるという可能性もないわけではなく、ある意味リスクを伴う。だから、個人情報をメールに書くときは細心の注意を払ってほしいし、相手が信頼できる人物であると判断できるまでは必要最小限の情報以外流さないほうがいい。そしてもし相手に危険なにおいを感じたら、すぐさま受信拒否リストに載せるなどして身を引くほうが賢明であろう。用心するに越したことはないと思う。いずれにせよ、ペンパルとの付き合いはコンピューター上のみにおさえておくのが無難だと思う。You can't be too careful!

②もらったメール全てに返事を書く必要はない

 一般的に、若い女性の場合は男性から何十通というメールがくることが多い。真面目な人は丁寧に全部に返信しようとすることが多いが、それでは身が持たない。だから、自分と共通の話題がある人、興味のある国の人、文面から見て信用できそうな人、など自分の責任において取捨選択すればいい。まあ最初の1回目くらいは全員に返信するのもいいかもしれないが、それでも長続きするのは数人である。ともあれ、義務感を持って全てに応対する必要はないことだけは心に留めておいてほしい。
 

理由3:日本語を読みほぐす国語力が不十分だった。
 
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 私は基本的に読書をするほうではない。高校時代必要に迫られて文学小説などを読んだことはあったが、読書量そのものは人に比べて少ないと言わざるを得ない。そして、そこに英作文が苦手だった理由のひとつがあると思う。
 以前教えていた高校でよく下線部和訳をテストに出題していたが、採点するときには必ず自然で美しい日本語訳を書いている生徒の答案に出あった。そしてそういった生徒は英語がそれほど得意でなかった場合でも、間違いなく大の読書好きであった。ある生徒は一ヶ月に少なくとも30冊は読んでいたそうだ。本人いわく、寝ている間も惜しんで読書に勤しんでいたらしいが、彼女とのある日の会話を再現してみよう。
 
生徒:私シェークスピアが大好きやねん。特に「真夏の夜の夢」。あれは最高やわ。先生読んだことあるやろ。
マット・リー: 残念ながら読んだことないわ。ビデオではよくシェークスピアの作品見たけどな。例えば最近やったら、レオナルド・ディカプリオが「ロミオ・アンド・ジュリエット」の現代版の映画に出てたやろ。それなりにおもしろかったで。
生徒:私に言わしたら、あれはあかんわ。やっぱり原作の面白さには勝てへんて。先生もいっぺん原作読んでみ。
マット・リー: そうかあ・・・・()
 
 彼女が英文科を出た私の数百倍の本を読んでいることは明らかである。とにかくこういうタイプの子は仮にその時点で英語が出来なくても、近い将来必ず英語力が急上昇するはずである。外国語である英語といえども結局は国語力。それがなくては伸び悩むことは間違いない。かつての自分をかえりみてつくづくそう思う。
 同じ学年にいたもう一人の話も興味深い。彼女も読書が大好きで、寮生活を送りながらその学習時間の大半を読書にあて、一ヶ月に40冊は読んでいたそうである。聖書なども数回は通読したという、読書の鬼のような生徒だった。しかし、悲しきかな、中2時点で彼女の英語の成績は120人中120位。本人いわくどん底だったということだが、彼女はまず国語力があるので和訳などでは非常に優れた日本語を書くし、なにより勉強に取り組む姿勢が前向きだった。だから「今は英語が不得意中の不得意かもしれないけど、高2、高3の大学入試レベルの問題になってきたら、下線部訳や英作文など国語力がある人が強くなってくるので、自信を持ってこつこつやっていこうや。」ということを言って、補習で文法の初級レベルの復習につきあったりしていた。その後マット・リーは、彼女が高1終了時点でアメリカへ旅立つためにC学園を退職したのだが、その後風の噂で彼女が現役で大阪府立大学に合格したという話を聞いた。かつて英語が学年単独最下位だった生徒がである。やはり国語力(特に現代文)は大切だなあと痛感したものである。
 さて、話を自分のことに戻そう。大学時代(といっても実際には4回生になってからだが・・・())には新聞は必ず読むようにした。また、「TIME」などの英字雑誌や、朝日新聞の週刊誌「AERA(アエラ):¥400」、あるいは大学の授業で読む原書の文庫版などもよく読んだ。少なくとも高校時代よりは活字に触れる機会が増えたはずである。そして、塾、学校で英語を教えていく中で英文、日本文を問わずいろんな文献にあたったと思う。そういった地道な読書量の増加が英語力の向上に役立ったのは間違いないだろう。実際考えて欲しい。日本語で知らない内容を英語でわかるはずがあろうか。答えは明らかにNOである。逆に日本語で知っていることならば、英語で書かれていてもある程度はわかるものだ。そういった意味でも、国語、政経、日本史、世界史、日本史、倫理、地理、英語、家庭科、保健体育、化学、物理、生物、地学、芸術などそれぞれの科目で習うことが有機的に、立体的につながっているのが社会であり、その社会の中に放り出されたときにどのように対処するかを学ぶのが大学であるわけである。大学入試が問うのもそこであるわけだし、大学入試といえども社会勉強の一環であることは間違いない。中学生、高校生で学習することの中で無駄なことはない、そう信じて日々の学習に積極的に取り組んで欲しいものである。
 

理由2:核となる基本暗唱例文が頭に入っていなかった。
 
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 思えば高1の時に英語の先生が懇切丁寧に、暗唱例文200ぐらいのプリントを作ってくださったのだが、それは中学生の復習から始まって高校初級に至るまでのいわゆる英語学習の核になるものだった。もしそれを完全にマスターしていれば、もっと容易に英作文力がついていたのではないかと思う。
 まず、基本暗唱例文集の選択だが、左ページに英文、右ページに日本文が対比して書いてあるものが望ましい。ただし、市販の熟語集、構文集はサイズが小さいので、それをB4の紙に自分で書き写してみる(もしくはパソコンで作成する)のも一案だと思う。
 
初級では
①「デュアルスコープ総合英語(数研出版)1500円」に付録としてついている暗唱例文集
②「英語の構文150(美誠)1400円」に付録としてついている別冊例文集
 
中級以上では
③ 「大学入試超頻出英文ハイパートレーニングBEST300(桐原書店)1365円」
④ 「ドラゴンイングリッシュ・基本英文100(講談社)14700」       
 
といったところがお勧めである。[注意:値段は税込みでおおよその値段。多少変わっている可能性あり。]
 
 ①は私の勤めている進学校で一括して採用している基礎レベル(といっても十分入試レベルまで対応できる優れ物。)の文法書。基礎だけに例文集も英作文に必要な頻度の高い平易な英文を集めてある。文法のテストなどで覚えても、人間の脳は忘れるようにできているもの。忘れかけた頃にまた覚え直し、それを繰り返すことが定着につながる。掲載されている全文をしっかり音読し、使いこなせるようになると強い。①よりは少し難しめの②も同じだが、個人的には①を完璧にしてしまうほうが英作文では使いやすいのでお勧め。①にはCDが付いているのだが、おそらく使っている人は少ないと思う。できればCDを使って、テキストを見ながらCDの後に続いてリピーティングをしたり、テキストを見ずにシャドーイングをし、すべての日本語を英文にスムーズに直せるまで覚えこめば、基礎としては磐石である。ちなみに②にもCDが付いているのだが、英文→日本語→英語、という順番で読んでもらえるので、英文を聞いて意味がわかるかチェック→日本語を聞いて確認→英文の後に続いてシャドーイング、という手順で練習を積めば、リスニングの練習にもなるので効率がいい。最終的には、CDを一時停止することなくずっと流したままシャドーイングをできるレベルにまでもっていってほしい。そうすれば、スムーズに日本語を見た時に英文に直すことができるはずである。
 
 ③は東進予備校の超名物講師である安河内哲也氏の執筆したもので、CDもバックミュージック付きで英文も興味をひきつけるユニークなものが多い。暗唱例文を使った4択問題もついており、基礎レベルから暗唱例文をきっちり覚えてしまいたい人には最適の一冊であると思う。
 
 また④は恩師竹岡広信氏の執筆したもので、うたい文句が「あのドラゴン桜でも使われている最強の英語例文集」となっている。タイトルは「基本」となっているが、東大、京大等の大学入試過去問に出題されている英文が数多く使われており、初級でありかつ超上級でもあるという非常に守備範囲の広い例文集である。
 いずれのテキストを使うにせよ、暗唱例文の覚え方としては、(1)まずはテキストを見ながらでもいいから、CDを流して後に続いて英文を音読する→(2)慣れてきたらテキストを見ずにCDの音に続いて音読する訓練をする。シャドーイングの徹底。→(3)音が完全に頭の中に入った段階で、日本語を見てそれを英文に書き直す訓練をする。その時、ノートに書きながら音読する、音読しながら書く(音読筆写の徹底!)ことを心がけてほしい。音読せずにひたすら書いていても、単なる作業に過ぎず、言語を習得するための学習にはなりえない。言語を習得していく上で音読をするというのは極めて大切なことであり、音読無くして暗唱例文の習得はありえない。1日10分でも5分でもいいから毎日音読する習慣をつけて欲しい。ちなみに、音読が習慣化すると、リスニング力も向上することも付記しておきたい。センター試験のリスニング対策は、音読から始まると心得てもらえれば幸いである。

理由1:中学生レベルの知識を使いこなせるレベルに達していなかった。
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 私は中3のときまでは英語が大嫌いだった。学校の先生もやる気のない方だったし、自分も頑固で自分の勉強のやり方に固執していた。例えば、音読を重ねて正しい読み方を体で覚えるようなことは一切せず、英単語を覚えるときはローマ字読み。dictionaryをディクチオナリーと読んで覚えていた。(嘘のような本当の話・・・) また、長文を読んでいく中で出てきた単語、熟語等を辞書でチェックしたり単語ノートを作ったりといったことをせず、塾で与えられていた単語集を頭から覚えまくっていた。しかも正しく音読することをほとんどせずにひたすら紙にスペルを書きまくっていた。英作文が得意でないと嘆いている人たち、いかがだろうか。ひょっとしたらこんなやり方で英語学習に取り組んでいないだろうか。とにかく、このようなやり方で中学レベルの英語を使いこなせるレベルまで到達するはずもなく、高校で英作文が上達せずに悩んだ理由はこの頃に原因があると私は強く確信している。
 さて、そんな私が高校時代に英語に興味を持ち、大学は同志社大学部文学部英文学科に進んだ。そして、大学一回生の時から6年間、塾で主に難関高校合格を目指す中学生の指導に携わった。教え子達は自分の至らない授業によくついてきたなあと今さらながらにしみじみ思うが、私自身は彼らの英語指導に携わる中で、単語、熟語のテストを嫌というほど繰り返し作ったり、生徒の志望校(東大寺学園、洛星、など)の過去問を使った英作文添削を重ねたり、幾多の文法問題を解いたりしていく中で、中学レベルの英語は完全にマスターしたと思う。
 私は1997年4月から奈良県の私立進学校であるC学園で教鞭をとることになったわけだが、それに備えて1996年大手予備校駿台の夏期講習を受講した。恩師竹岡広信氏(20063月にNHK「プロフェッショナル」で特番が組まれた、カリスマ英語講師。著書「ドラゴンイングリッシュ」は漫画「ドラゴン桜」のモデルとなったらしい・・・・)と駿台英語科のエース桜井博之氏(京大や阪大の青本を執筆している駿台英語科の中心人物。)の授業には、改めて目からうろこが落ちる思いだったが、講習受講者の特典として京大模試が無料で受けられるというものがあった。もちろん私は興味本位で受験してみた。現役のときには歯が立たなかった試験だが、なんと成績優秀者の欄(もちろん英語だけ。偏差値は70を超えたのだが、一方数学などは限りなく0点に近かった())に自分の名前が載ったのである。(しかし、自分より上に13人もいたのが気になるところだ。恐るべし全国トップレベルの高校生達・・・()) 別に高校卒業後に京大の過去問を研究したわけでもなければ、予備校に通いつめたわけでもない。また、大学の専攻の英文学の授業が幸いしたわけでもないだろう。やはり、塾講師をする中で中学レベルの英語を繰り返し、繰り返しやって自由に使いこなせるレベルに持っていったことが、京大の模擬試験(英作文が150点中の50点の配点を占める)でまあまあ納得のいく点数の取れた一番大きい理由だと思う。「中学英語をやって京大の問題が解けるのか?」と懐疑的だった人も少しは納得していただけただろうか。
 それともう一点。「中学生で英作文ができるのか?」といった疑問についてであるが、答えはYESである。確かに、語彙や文法といったことを考えると書ける範囲は限定されるが、必要最小限のものは中3前半ぐらいまでのもので十分だと思う。例えば、かつて勤務していた有名私立大学の附属校であるR中学校では、ニュージーランド研修に備えて、「自分のこと、自分の国のことを英語で表現して、写真や雑誌の切り抜きなどを貼り付け、オリジナルのアルバムを作ろう。」という取り組みを行っていた。まず生徒が書いてきた英作文をネイティブの先生にチェックしてもらい、生徒はそれを訂正したものを再提出する。そして次に日本人教師(つまり私)が再チェックして、添削、提出を続け、最終的に清書を書いて一冊のアルバムを作りあげるというものである。確かに書く内容が生徒本人が納得のいくレベルに達しないことは少なくなかったが、知っている範囲で自分の伝えたいことを書いてみるということは中2でも十分できるんだなあと感心した。ちなみに、一緒に仕事をさせていただいていた英語科主任の先生が前回担当された学年は、中学卒業時までに70~80人(総勢200人強のうち)が英検準2級(高一レベル)を取得したそうである。(また、C学園で教えていた生徒で現役で京大、東大に合格した生徒達は、中3時に英検2級を取得していた。恐るべし中学生たち・・・)アルバム作成を含め、総合的な英語力向上を目的としたご指導の賜物であろう。すばらしいことだとつくづく思う。
 なお、余談になるが、英検2級ないしは準1級は高校生の間に継続的に受験しておくことが望ましい。リスニング問題のCDも購入して勉強しておけば、センター試験対策教材としても有効なツールになる。センター試験は250点中50点を占めることをお忘れなく。
 もう1つ興味深い話を。以前勤務していたC学園で聞いた話だが、現役で東京大学に合格した某生徒はあるものを使って英語の勉強に勤しんだらしい。何を隠そう、中学生の時に使った文部科学省の検定教科書である。なんでも、教科書を暗記できるほど徹底的に音読したらしい。その生徒はもちろん英語は出来たらしいが、それにも関わらず難しい問題集でなく中学の教科書を使うということが興味深い。すなわち、できる生徒だからこそ何をやれば力がつくかわかっているのだろう。検定教科書に書かれている英文は洗練されており、かつ平易である。特に中3の教科書に出てくるレベルの英文が書ければ、京大レベルの英作文であろうが敵ではないと思う。
 個人的な意見だが、大学入試を控えた受験生が英作文の訓練をするときに中3の検定教科書を使ってみるというのはいかがだろうか。まず先の生徒のように徹底的に音読をする。(最低通しで10回以上。)そして、英文がだいぶ頭に入ってから、ノートの上3分の1ぐらいを使って英文を和訳したものを書き出す。そして、1日おいてからノートの下3分の2のところに上記の日本文を英訳して、最後に教科書本文と比べてみる。こうすれば、平易な英文を的確かつ自然な日本語に直す訓練にもなるし、かつ阪大の自由英作文をはじめとする英作文対策としてもかなりの効果が期待できると思う。ともあれ、中学生レベルの既習事項を縦横無尽に使いこなせるようになることの大切さをお分かりいただけただろうか。ここを通らずして英作文上達は果たせないので、なにかの参考にしていただければ幸いである。(参考:京都府下の中学校が使っているNew Horizon、京都市立の中学校が使っているOne Worldは、京都駅八条口のアバンティブックセンターや、四条あるいは三条にあるジュンクドウ書店などの大型書店で、一冊数百円の非常に安い値段で購入できる。東大などの自由英作文対策として、中3の教科書を上述のやり方で集中的にやってみてはいかが?)

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英作文の秘訣改訂版 その1
 
 ずいぶん前に作成して好評だった「英作文の秘訣」シリーズだが、内容が古くなったので現在担当している高校3年生用に手直ししたものをベースに随時掲載していこうと思う。
 
 国公立2次試験で合否を左右する英作文を苦手とする人は少なくない。でも、いったん得意になってしまえば英作文ほど他の人と差がつく分野もないと思う。そこで、マット・リーの学生時代の経験も踏まえて、効果的に英作文力をつけていく方法を検討してみようと思う。
 英作文上達のコツを一言で言えば、「中学レベルの単語、熟語、構文、文法を使いこなし、かつ実際に書く訓練をすること。」である。そう言ったら、「そんなん言うたかて、中学生レベルの知識で京大の英作文が解けるのかいな?」、「実際、中学生が英作文なんてできるか?」といった懐疑的な声があちこちから聞こえてきそうである。私は高3の頃英語は超得意教科で、全統記述模試の偏差値で言えば70を割ることはほとんどなかった。(ちょっとだけ自慢?でも、数学がその半分程度であったことも付け加えておきたいが・・・(笑))しかし、英語だけは絶大の自信を持って受験した京大実戦では壊滅状態。偏差値で40程度だったと思うが、英作文に至っては手も足も出なかった。英語に対する自信が木っ端微塵に打ち砕かれた瞬間だった。あまりにそのショックが大きかった  ために高3の夏休みは超不得意教科の数学を勉強することもなく、「コペルニクス英作文(研究社)」を使ってひたすら英作文の修行に励んだ。おかげで2学期にはその効果が出始めて英作文でもましな点数が取れるようにはなったが、そのために払った犠牲はあまりにも大きかった。現役で国公立に合格したい人は、決して、決して、真似をしないように!(数学命!!!!理科、社会命!!!!)
 さて、話は本題に戻るが、そこまで徹底して英作文をやったけれども当時の自分は英作文力がなかったと言わざるを得ない。現在英語教師としての自分の目で見て、その理由をいくつか挙げることができる。
 
<英作文が得意でなかった理由4カ条>
理由1:中学生レベルの知識を使いこなせるレベルに達していなかった。
理由2:核となる基本暗唱例文が頭に入っていなかった。
理由3:日本語を読みほぐす国語力が不十分だった。
理由4:実際に英文を書いてみる訓練が不足していた。
 
以上、それぞれコメントを加えながら検証してみようと思う。

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 久しぶりの更新になる。しかも、最近は本業であるはずの英語関係の記事を一切執筆していないのでそろそろ復活ののろしを上げたいと思う。それには理由が二つある。1つは、マット・リーはこの4月から久しぶりに高3の担任を持ち、目下大学入試に向けて日々奮闘中であること。そしてもう一つは、ある生徒に言われた次のことがある。「先生、僕塾行かんと大学入試受けるつもりやから、ブログこまめに更新してや。特に英語の勉強の仕方とか、実際の大学入試問題とかは絶対やで。」一人でも読んでくれる読者がいるのであれば、書かねば男がすたる。ということで、業務に忙殺される毎日であるが、ぼちぼち英語関係の記事も更新していこうと思う。乞うご期待。 マット・リー

ついにこの日が来た。10月31日午後二時、京都の同志社女子中学校・高等学校"で、あのケンブリッジ大学出版から出ている世界的ベストセラー“English Grammar in Use”の著者、レイモンド・マーフィー氏(Raymond Murphy)の講演会があった。この著書は、現在神奈川大学で教鞭をとられている久保野雅史先生が筑波大学附属駒場中学校・高等学校の教員だった時代に、京都教育大学で二日間の集中講義があったのだが、その際にお勧め教材として教えていただいたものだ。外国人英語学習者にはわかりにくいニュアンスを、ネイティブスピーカーの視点でイラストを使って分かりやすく説明している本で、当時の私にとっては頭を金づちで打たれるぐらいの衝撃があった。以来、困ったときのマーフィー本頼みで大変重宝している。
 
その講演ではいろいろなお話があって大変楽しく聞かせてもらったが、以下マット・リーがメモをした中から一番印象的だった部分を御紹介したい。
 
まずは第一部では、マーフィー氏の英文法に関する講演だった。マーシー先生曰く、英語学習にはmain roadがあって、それはたくさん読みたくさん聞くというごくシンプルなもの。その過程で、時にlay-by(一時駐車所)に行くことが大切とのこと。初めて聞いた単語だったが、somewhere on the roadという説明を付け加えてくださった。アメリカ英語ではrest areaというらしい。まあ日本で言うところの、高速道路にあるサービスエリアみたいなものだろう。要は、英語学習の王道であるひたすらトレーニングを続けることが前提としてあり、時にはふと脇道のlay-byにそれて、辞書を使ったり、意味を考えたり、しっかり頭を使って考え、再びgo back on to the main road(本線に戻っていく)が大切だということだった。マーフィー氏の著書もそのようにstop in a lay-byの際に役立ててほしいともおっしゃっていた。そして、英語学習というjourneyは延々と続いていくということだったが、なかなか含蓄のあるお言葉だった。
 
そして、第二部では我が恩師、ドラゴンイングリッシュの竹岡広信氏とマーフィー氏の対談だった。昨日東京でも同様のイベントがあったらしいのだが、それを踏まえて竹岡氏曰く、「lay-byを中心にしているのが日本の問題点」とのこと。高校現場で英語教育に携わる一人として、たいへん耳の痛い話だった。また、その対談の中で、どうしたら英語の語彙力をつけられるかということに話が及んだのだが、マーフィー氏曰く、「文法とか、単語とか分ける必要はなく、文法もやったら語彙も増えるし、その逆もしかり。大事なことはRead things you are interested in.であって、ファッション誌でもスポーツ誌でも漫画でもいいから、とにかくread for pleasureが大切。生活の一部として組み込んでいき、できるだけ頻繁に読んでください。そうすれば語彙力は勝手についてきます。」とのこと。当たり前のことといえば当たり前なのだが、簡潔な英語でしかもマーフィー氏が言っているということでなおさら説得力があるように感じた。
 
最後に、日本人英語学習者へのメッセージをとの問いに対してマーフィー氏は、Not really. No.と一言。ただし、このようにもおっしゃっていた。Learning language is lovely. (言語を学ぶのって素晴らしいよね。)この姿勢を英語教育に携わる教員も、学習する生徒も自然に持てるようになったら、どんどん高みを目指して英語学習のjourneyを続けて行くことができるだろうなあとしみじみ感じた。最後に、このような素敵な企画を催してくださったAERA ENGLISHとケンブリッジ大学出版、そしてブログにてこのイベントの存在を教えてくださった竹岡先生にに感謝の意を捧げたい。合掌。  マット・リー
 
 
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ずいぶん前に購入したGrammar in Use  ちなみに、これはイギリス英語版でなくアメリカ英語版らしい。学生が全て読んでいくにはやや忍耐力が必要か・・・・でもマーフィー氏がおっしゃっていたように、self-study用の文法書としては、イラストも多く、非常に印象に残りやすいと思う。
 
 
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すでに持っていた、翻訳版。これなら高校生でも自学自習に使えると思う。 
 
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本日会場で購入したもの。ちなみに右側は出版25周年を記念して作った、CD-ROM付きのsilver editionである。同じものを持っているにもかかわらず、思わず買ってしまった。
 
 
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そして、もちろんその中にはサインを頂いた。日付も書いていただいたし、フルネームでも書いていただいたが、情報保護の観点から非公開とさせてもらう(笑)。ともあれ、このBest wishes!の言葉を胸に、今後も英語教育に尽力していきたいものである。
 
 
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ついでに、恩師竹岡広信氏の近著も購入。こちらはサイン入りで販売していたが、まあサインはいつでももらえるのでいいかな・・・・(笑)ともあれ、自己研鑽の一環として読みこなそうと思う。
 
 
 
 
 
 

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