マット・リーは今年が採用10年目研修にあたっていて、その一環として予備校や業者が開催しているセミナー等へ参加してもいいというものがある。ということもあり、8月8日、駿台教育研究所の夏期教育研究セミナー 「英作文」の指導 を受講してきた。朝10時前から5時ごろまでの長丁場であるにもかかわらず、約160人の英語教員が全国津々浦々から集まり講習を受けた。
講師はドラゴン桜のモデルになった竹岡広信先生。マット・リーは高2、高3の2年間英語を教えていただいた御縁もあり、いまだにこういった形でお世話になることが少なくない。ありがたい話である。
さて、テキストは1日のセミナーにもかかわらずかなり分厚く、25題の英作文が収録されていた。内容も京大、東大、阪大、早稲田、慶應の問題などいわゆる難関大学の英作文の問題が中心で、予習するのにかなりの時間を費やした。予習だけでノートが一冊になったが、この最初の予習と後の復習が大切であり、それをしない限り参加した意味がないと言っても過言ではないだろう。とりあえず、泣きそうになりながら予習も完成させて(笑)、授業に臨んだ。
竹岡先生は、英作文の授業に関しては、必ず添削を入れて、そのコピーを使って授業を展開されているとのこと。しかも、同僚のイギリス人講師にバイト料を出して添削してもらったものを更に添削するというパターンを取っているらしい。そのイギリス人講師は日本に30年住んでいる方なので、和文英訳でも自由英作文でも、信頼のおける模範解答を作ってくれるそうである。
その生徒の添削答案を惜しげもなく75ページの冊子にまとめて参加者全員に下さった。そして、それだけではなく、全国の自由英作文の傾向をまとめた冊子、こちらも50ページあるのだが、を下さった。今年の夏はこれを使って、英作文の指導に生かすべく勉強させてもらおうと思う。
授業の内容を全てお伝えできればいいのだが、あまりにも膨大な量があるので、とりあえず私が日頃の授業で心がけていることで、先生もおっっしゃっていたことを数点紹介しようと思う。
英作文指導の心得<抜粋>
①好きな単語を使わせないこと!・・・・生徒の心理として、新しく習った単語、難しくてかっこよく見えそうな単語を使いたがるものだが、それは100%自信があるのでなければさせてはいけない。
②名詞を不用意に使わせるな!・・・可算名詞か不可算名詞か?単数形か複数形か?冠詞はaかtheか無冠詞か?などなど減点される箇所が多いにある。特に無生物主語の文を作るとミスをする可能性が高いのでできるだけyouなどを主語にした英文を書くように!
③文法は体系的に全て教える必要はない!・・・・不要な文法まで全て教える必要はない。例えば比較なら頻度の高い比較級+er than~とas~asを、グラフを使った問題をたっぷりやらせて教え込むとか、あるいはセンター試験の文法問題数百題を繰り返し繰り返しやらせて、英作文でも使えるようにしていくとか、文法の教え方にも工夫が必要。
④難しい日本語は削る!・・・・言語が全く違うわけだから、一対一の完全な翻訳は不可能。ごちゃごちゃ書いて英文が分かりにくくなるよりは、思い切って削る部分は削って、50~60%言いたいことを伝えられれば御の字。
⑤多読が必要!・・・・いい英文を書くためにはやはりたくさん読むことも必要。名古屋大の医学部に受かったある生徒は、とにかくストイックに多読を重ね、3000ページは軽く読んでいたとか。それだけ豊富な読書量があるため、120分の京大の問題でも1時間ぐらいでさらさらっと終わってしまい、しかも内容は文句なしだった。
などなど、英作文を指導していれば必ずぶち当たるポイントについても強くおっしゃっていた。改めて強く意識して今後の指導に生かしていこうと思う。