今年度ももうすぐ終わり。ということで、「何か教科書を使った授業をするにあたって、面白いけど力になることをしてみたいなあ。」と思っていろいろと考えていたところ、あるアイデアが浮かんだ。まずは、昨年12月末にアマゾンで次の2点のおもちゃを購入した。
①「○×ピンポンブー」(ワイハウス;\980) [写真1枚目~2枚目]
クイズに使えるおもちゃで、○のボタンを押すと「ピンポン!」、×のボタンを押すと「ブー」と鳴る、たいへんシンプルなおもちゃ。某有名国立大学附属高校で勤務されている大先輩から、「Oral Introductionで3択クイズでピンポンブ―を使ったら面白いよ。うちの学校では、グループ対抗クイズ合戦で使えるように、英語科で5~6個購入していつでも使えるようにしてあるんだよ。」とのこと。早速購入してみた次第である。試しに授業で使ってみたが、ちょっとしたアクセントになって大変使い勝手がいいなと思った。
②「ハヤオシピンポンブー」( (株)ユニサプライズ;\5,801) [写真3枚目~5枚目]
そしてこのハヤオシピンポンブー。その名の通り、クイズを出して、答えがわかった解答者が一斉にボタンを押すのだが、一番早く押した番号のランプが点灯するというもの。一昔前にはやった「アメリカ横断ウルトラクイズ」や、今なお人気番組である「高校生クイズ」で使われているものの家庭用といったところだろう。
という2点のおもちゃを使って、リーディングの授業で遊んでみようと考えてみた。学年は高校2年生。教科書は「CROWNⅡ(三省堂)」のLesson 8 “Zero Landmine” を一通り学習し終わったところでQuiz Competetionを行うことを告知。42人の生徒を6人ずつ7つのグループに分けて、①Section1からの出題、②Section2からの出題、③Section3からの出題、④Section4からの出題、⑤Chris Moon(地雷撤去中に足と手を失い、その後長野オリンピックで聖火ランナーを務めたクリス・ムーン)についての出題、⑥Sakamoto Ryuichi (Zero LandmineというCDを作成して、反地雷の運動に尽力した、「ご存知世界のサカモト」こと坂本龍一)についての出題、⑦No Genre ( As far as the questions are connected with what you learned in this passage. )の中から、各グループの担当部分を決定。それぞれグループワークで三題の問題を作成してもらったのだが、早押しクイズという性質上Yes / No Questionと3択問題はダメで、疑問詞を使った問題に限定というルールを設定。クイズ大会当日は、一人一回は早押しをする解答者をやってもらい、誰か一人(あるいは2人)が出題もすることにして、出題者は○×ピンポンブーを使ってもらった。そして、もちろん、一等賞と二等賞を用意して、各グループに賞品獲得を目指してテンションを上げて頑張ってもらった。
教卓にハヤオシピンポンブーを置き、各グループから出てくる解答者にボタンの近くで構えてもらい、クイズ大会はスタートした。作った設問を出題者が一生懸命読み上げる(スピーキング)、そしてそれを解答者、その他の生徒も集中して聞く(リスニング)、そして獲得された得点を黒板に書いていくので、一問ごとになかなか盛り上がった。もちろん、問題を作ったり、あるいは問題に答えるために、本文を何度も読み返す(リーディング)し、教科書や地理で使っている地図帳(地雷が多く残っている国はどこか調べたりしていた。)やインターネットや英英辞典などを駆使して、問題を作る(ライティング)ので、結構4技能をバランス良く使う訓練になるなと思った。
質問はけっこうユニークだった。What is Sakamoto Ryuichi's favorite animal?(坂本龍一さんの大好きな動物は?)、In what place will the next Winter Olympoic Games be held?(次回の冬季オリンピックの開催地は?)、Who asked Chris Moon to be the torchbearer in Nagano Winter Olympic Games?(クリスムーンさんに長野オリンピックの聖火ランナーになるよう依頼した人物は?)などなど自分たちで一生懸命考えた秀逸な問題が数多くみられた。ちなみに、一切添削も何もしていないので、上記のように完全な英文ではないものも少なくなかったが、たどたどしいながらもジェスチャーを交えて一生懸命伝えていたので、案外みんな理解していたようだった。
思っていた以上に盛り上がったので、購入した甲斐があった。ちなみに、ハヤオシピンポンブーが5,000円以上するといったことに関しては更に反応があり、What a waste!といった類のコメントが数多く聞かれた(笑)。ちなみに、去年高校生クイズで京都府のベスト8ぐらいまで行った生徒がいるのだが、彼は早押しの練習ができるものが売っていないかということで、ネットで検索してこのハヤオシピンポンブーを見つけたらしい。だがあまりにも高くてもったいないという理由で購入するのをやめたらしい。もっとも、まさかそれと同じものを担任が購入して授業で使うとは思ってもいなかったらしいが・・・・・(苦笑)
最後に商品の内容について。前日にLOFTで中身が見えないようなかわいい袋を購入し、その中にグループの人数分のお菓子を入れて封をしたのだが、First Prizeはひなあられなどのお菓子の盛り合わせ、そしてSecond Prizeが亀田製菓の名菓「おばあちゃんのぽたぽた焼き」。受ける人には受けていたようである(笑)。ともあれ、参加賞として全員にa piece of chocolateもその後に配布し、めでたしめでたしで終了した。なかなか使えるおもちゃなので、みなさんもぜひお試しあれ。