マット・リーの闘う最強英語

神戸にある某進学校で英語教師として教鞭をとっているマット・リーが全国の受験生に贈る、難関国公立大学(東大、京大など)の英作文解説を中心とする英語学習に関するブログです。その他に、寺社の御朱印収集、旅行、グルメ、メジャーリーグなど、気の向くままに書き綴っていきます。

2006年12月

イメージ 1

イメージ 2

Merry Christmas, guys!世の中はクリスマスムード一色の華やかな1日であるが、我々英語科教員にとっては憂鬱な一日だった。教育委員会主催の英語科教員対象の研修の一環として、全員にTOEFL受験が科されたのである。TOEFLと言えば前回受験したのは仕事をやめて渡米する前の2000年1月。スコアは600点にははるか及ばない573点だった。一般に、北米の大学に留学するために必要なのが550点、有名な名門大学なら600点が最低ラインになってくるわけで、まさに苦い思い出しか残っていないテストである。ちなみにその年の6月に受けたTOEICが840点だった。

TOEICはビジネス用、TOEFLは留学用という色分けがあり、それゆえTOEFLのほうが学術的な内容からの出題が多いのが特徴だ。確か文部科学省が英語科教員の最低ラインとして設定したのが英検準1級、TOEFL550、TOEIC730ぐらいだったと記憶している。いずれもクリアはしているものの、一番とっつきにくく受験料も高いTOEFLは意識的に避けてここまで来た。さて、今回はいかに???

試験開始の合図とともにSECTION気離螢好縫鵐阿スタート。結果は・・・・撃沈した。しかもリスニングだけならともかく、続く文法・語法問題も、長文問題も、時間が全く足りなかった。Holy cow!(なんてこったい!!!!)今年の9月に受験したTOEICもそうだったが、やはりリスニング試験の配点が高く長文が多い資格試験は、日ごろから英語モードに入ってある程度トレーニングをしているさなかに受けなければきついということが骨身にしみて分かった。しかもここ数年、京都大学や大阪大学の英文精読をじっくり時間をかけて取り組んできたせいもあってか、速読力が異様に急降下した気がする。5年程前に受けたときには時間が足りないなんてことは一度たりともなかったのに・・・・

ちなみに、この結果は後日校長のほうから個別に手渡されるそうである(泣)。とりあえず、復讐を果たすべく精進しようと固く心に誓ったマットリーであった。I'll get even with you, TOEFL!(TOEFLめ、今にみてろよ。首を洗って待っておけ!)

追伸:今日は団体受験用のPBT(ペーパー版)だったが、文法問題がなくなりスピーキングセクションが加わったiBT(インターネット版)が今年からスタートし、今後主流になっていくことが予想される。次回はiBTでリベンジを果たしたいものである。ちなみに、TOEFL、TOEICなど英語に関するありとあらゆる情報を手に入れるには、

「英語を学ぶすべての人へ」
http://www.howtoeigo.net/

というホームページがお勧めである。管理人の中田さんは、語源の本なども執筆されている東大大学院在籍の兄ちゃんで、とにかくすごすぎるの一言に尽きる。ぜひご覧あれ。

イメージ 1

イメージ 2

理由4:実際に英文を書いてみる訓練が不足していた。[後編]

最後に、大学受験用の英作文対策を少々。まず、一冊英作文用の問題集を用意する。マットが高3の夏休みに使った「コペルニクス英作文(研究社)」、あるいは「英作文のトレーニング[入門編、実戦編、自由英作文編] (Z会出版)」、「STEP BY STEP 超基本パターン33 書ける!英作文(旺文社)」、「大学入試最難関大への英作文(桐原書店)」、「竹岡広信の英作文[原則編・実戦編]が面白いほど書ける本(中経出版)」などの中で、先輩・先生のお勧めのもの、自分が使いやすそうなものを選ぶ。高3生や浪人生なら、志望大学の過去問の英作文のところだけ5年~10年ぶんコピーするのもいいかと思う。

そして普通の大学ノートを1冊用意する。大事なことは、「ノートをけちらずに大胆に使うこと(英作文1題あたり見開きで2ページを使う。)」であるが、段階別にまとめてみようと思う。

大学入試対策 英作文修行ノートの作成方法

〆絃紊貌鐱楔譴鮗未垢、コピーしたものを貼り付ける。・・・日本語が書いてなければ効率が悪いので、邪魔くさくてもノートに書きとめておくこと。

日本語の下の所に、とりあえず自力で解答を作ってみる。・・・できれば、違う構文、単語、表現を使って2種類ほど作るほうが効果的。この際、辞書は使わないようにすること。

L枠浪鯏悊鮓ながら、左ページ下に使える表現、重要ポイント等を書き留める。・・・模範解答は、「こんな解答もあるんだ。」ぐらいで適当に納得しながら進めばいい。(同じレベルの解答を作ることは不可能だから。ただし、模範解答も音読はきちっとやること。特に駿台が出している青本は内容が一番確実だから、しっかり音読して使えそうな表現はチェックして覚える。) とりあえず自分で添削して、何割ぐらいとれているか予想することが大切。

ぜ分の解答を先生に添削してもらう。・・・これが一番大切。なんとかして添削してくださる先生を見つけて欲しい。さもなければ、英作文力を飛躍的に伸ばすことは困難であろう。

ケΕ據璽犬硫爾里曚Δ北枠浪鯏悊鮟颪写すか、コピーを貼り付ける。

ε査錣靴討發蕕辰深分の解答、模範解答を見ながら、右ページ上部に自分の解答の訂正版を作る。・・・やりっぱなしではなくこのようにアフターケアをすることが大切。添削してもらってから数日あけてからこの復元作業を行うとさらに効果的。なおこの際に英英辞典を活用するのもお勧め。(模範解答にある難しい単語を英英辞典で引いて言い換えてみると、かなりこなれた文章を作ることが出来る。)

以上、大学受験生の皆さんの健闘をお祈りする。 Good luck to you all!

イメージ 1

イメージ 2

理由4:実際に英文を書いてみる訓練が不足していた。[中編]

\こΔ縫撻鵐僖襪鮓つける   
http://www.worldvillage.org/net/penpal.html
福島県国際交流協会が運営しているサイトで、海外のペンパル募集のサイト紹介欄が充実している。 
◆KEYPAL NET:スペースアルク」    
http://www.alc.co.jp/keypal/                       

「JAPAN PENFRIEND」         
http://www.japan-guide.com/penfriend/

いずれも、いわゆる世界の人とペンパルになろうというサイトだが、自分のプロフィールを掲載して誰かがメールを送ってくれるのを待つのもよし。すでに掲載されているプロフィールの中で、気に入った人のところにメールを送るもよし。あるいは、掲載してあるいろんな人のプロフィールを読んで楽しむだけでもいいかと思う。(プロフィールの多くは手紙に使われるような簡単な日常会話で書かれているので、非常に読みやすくてためになる。各国の生英語に触れるいいチャンスにもなる。)楽しみ方はいろいろあるが、うまくいけば自分と趣味のあう人、話のあう人と英語でメール交換が出来るようになるかもしれない。そしてもしぺンパルが見つかったとして、その人が話好きの人だと必然的にメールも長くなり、英文の読み書きの絶好の訓練の場となる。これなら肩もこらないし、話がつながるかどうかで、自分の英語が通じているかどうかのチェックもできる。自由英作文対策にもなるし、気軽に自分のペースで英作文の訓練ができるのでぜひともお勧めしたいのだが、数点だけ注意して欲しいことがある。

外国人のペンパルを作るときの注意事項

〆能蕕呂△泙蠍朕余霾鵑鯲さないこと
男性の場合はそれほど問題ないだろうが、女性の場合は特に注意を要する。残念なことに、世の中には下心丸出しでメールを送ってくる不届きな輩が少なからず存在する。特に「日本人女性は外国人男性(概して欧米人)が声をかければすぐにひっかかる」的な先入観を持っている愚か者は危険である。判断材料は至ってシンプル。すぐ会おう、会おうと言ってくる輩は一番危ない。最悪の場合犯罪に巻き込まれるという可能性もないわけではなく、ある意味リスクを伴う。だから、個人情報をメールに書くときは細心の注意を払ってほしいし、相手が信頼できる人物であると判断できるまでは必要最小限の情報以外流さないほうがいい。そしてもし相手に危険なにおいを感じたら、すぐさま身を引くほうが賢明であろう。用心するに越したことはないと思う。いずれにせよ、ペンパルとの付き合いはコンピューター上のみに抑えておくのが無難だと思う。You can't be too careful!

△發蕕辰織瓠璽訌瓦討吠峪?鮟颪必要はない
一般的に、若い女性の場合は男性から何十通というメールがくることが多い。日本人は真面目だから丁寧に全部に返信しようとすることが多いが、それでは身が持たない。だから、自分と共通の話題がある人、興味のある国の人、文面から見て信用できそうな人、など自分の責任において取捨選択すればいい。まあ最初の1回目くらいは全員に返信するのもいいかもしれないが、それでも長続きするのは数人である。ともあれ、義務感を持って全てに応対する必要はないことだけは心に留めておいてほしい。

(続く)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

理由4:実際に英文を書いてみる訓練が不足していた。[前編]

これは高校時代を通じて相当不足していたと思う。とはいえ、忙しい時間をやりくりして英文を書く訓練を重ねることは可能だったと思う。極端な話、毎日15分程度の訓練を続けることによって相当の効果をあげることが出来るはずだ。私が一番お勧めする訓練方法、それは英文で日記を書くことである。あれは大学3回生の後期だったと思う。就職活動を間近に控えて英語だけでもなんとかしなければならないと考えていた私は、まず手始めに英語で日記を書き始めることにした。普通の大学ノートに1日数行でもいいから何か書くようにしたわけだが、やはり書くのに慣れるまでは時間がかかった。そして、なかなか適切な単語、熟語表現が出てこないことも多々あった。そういう時は次のようにした。

,泙魂燭眥瓦戮困法他の表現で簡単に言い換えられないか考える。
⊆尊櫃鵬室蠅任發いいらその考えた表現で書いてみる。
1冢村典、和英辞典、時には英英辞典を使って言いたい表現を調べてみる。その際必ず赤や青などの目立つ色で、辞書の調べた部分に下線を引く。
つ瓦戮親睛討鬟痢璽箸陵鶻阿亡蔽韻縫瓮發垢襦

英文日記をつけていけば、語彙力も増えるし書くことに対して抵抗がなくなる。私は当時でも1年半ほど書き続けたし、いったんストップしたものの渡米をきっかけに再開し、2年近くは続けた。もちろん毎日つけられずに1週間ほどまとめて書くこともあるが、続けることに意義があると強く信じている。とはいえ毎日続けるのは結構難しいので、1週間に2~3回、あるいは書きたいと思ったときだけでもいいと思う。また時には日本語を混ぜて、思ったことをぶちまけるストレス解消ノート的なものでもいいのではないかと思う。実際私は普段は一日数行しか書かなかったのだが、腹の立つことがあった日などは平気で1ページぐらい書いてしまった。要は書きたい内容があれば、下手でも何でも書けるということだろう。英作文力アップを目指す人(特に基礎的な内容をすでに学習した高校1年生以上の人)にはぜひとも挑戦していただきたい。

ただし、中には「日記を書くなんてしょせん自己満足にすぎないじゃないか。誰かに見てチェックしてもらうわけでもないし、おもしろくないよ。」という人もいるかもしれない。そういう人にはメールで英語圏の人と文通することをお勧めする。

(続く)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

理由3:日本語を読みほぐす国語力が不十分だった。

私は基本的に読書をするほうではない。高校時代必要に迫られて文学小説などを読んだことはあったが、読書量そのものは人に比べて少ないと言わざるを得ない。そして、そこに英作文が苦手だった理由のひとつがあると思う。

以前教えていた高校でよく下線部和訳をテストに出題していたが、採点するときには必ず自然で美しい日本語訳を書いている生徒の答案に出あった。そしてそういった生徒は英語がそれほど得意でなかった場合でも、間違いなく大の読書好きであった。ある生徒は一ヶ月に少なくとも30冊は読んでいたそうだ。本人いわく、寝ている間も惜しんで読書に勤しんでいたらしいが、彼女とのある日の会話を再現してみよう。

生徒:私シェークスピアが大好きやねん。特に「真夏の夜の夢」。あれは最高やわ。先生読んだことあるやろ。
マット: 残念ながら読んだことないわ。ビデオではよくシェークスピアの作品見たけどな。例えば最近やったら、レオナルド・ディカプリオが「ロミオ・アンド・ジュリエット」の現代版の映画に出てたやろ。それなりにおもしろかったで。
生徒:私に言わしたら、あれはあかんわ。やっぱり原作の面白さには勝てへんて。先生もいっぺん原作読んでみ。
マット: そうかあ・・・・(汗)

彼女が英文科を出た私の数百倍の本を読んでいることは明らかである。とにかくこういうタイプの子は仮にその時点で英語が出来なくても、近い将来必ず英語力が急上昇するはずである。外国語である英語といえども結局は国語力。それがなくては伸び悩むことは間違いない。かつての自分をかえりみてつくづくそう思う。

同じ学年にいたもう一人の話も興味深い。彼女も読書が大好きで、寮生活を送りながらその学習時間の大半を読書にあて、一ヶ月に40冊は読んでいたそうである。聖書なども数回は通読したという、読書の鬼のような生徒だった。しかし、悲しきかな、中2時点で彼女の英語の成績は120人中120位。本人いわくどん底だったということだが、彼女はまず国語力があるので和訳などでは非常に優れた日本語を書くし、なにより勉強に取り組む姿勢が前向きだった。だから「今は英語が不得意中の不得意かもしれないけど、高2、高3の大学入試レベルの問題になってきたら、下線部訳や英作文など国語力がある人が強くなってくるので、自信を持ってこつこつやっていこうや。」ということを言って、補習で文法の初級レベルの復習につきあったりしていた。その後マットは、彼女が高1終了時点でアメリカへ旅立つために奈良県C学園を退職したのだが、その後風の噂で彼女が現役で大阪府立大学に合格したという話を聞いた。かつて英語が学年単独最下位だった生徒がである。やはり国語力(特に現代文)は大切だなあと痛感したものである。

さて、話を自分のことに戻そう。大学時代(といっても実際には4回生になってからだが・・・(笑))には新聞は必ず読むようにした。また、「TIME」などの英字雑誌や、朝日新聞の週刊誌「AERA(アエラ):¥360」、あるいは大学の授業で読む原書の文庫版などもよく読んだ。少なくとも高校時代よりは活字に触れる機会が増えたはずである。そして、塾、学校で英語を教えていく中で英文、日本文を問わずいろんな文献にあたったと思う。そういった地道な読書量の増加が英語力の向上に役立ったのは間違いないだろう。実際考えて欲しい。日本語で知らない内容を英語でわかるはずがあろうか。答えは明らかにNOである。逆に日本語で知っていることならば、英語で書かれていてもある程度はわかるものだ。そういった意味でも、国語、政経、日本史、世界史、日本史、倫理、地理、英語、家庭科、保健体育、理科、芸術などそれぞれの科目で習うことが有機的に、立体的につながっているのが社会であり、その社会の中に放り出されたときにどのように対処するかを学ぶのが大学であるわけである。大学入試が問うのもそこであるわけだし、大学入試といえども社会勉強の一環であることは間違いない。中学生、高校生で学習することの中で無駄なことはない、そう信じて日々の学習に積極的に取り組んで欲しいものである。

イメージ 1

理由2:核となる基本暗唱例文が頭に入っていなかった。

思えば高1の時に英語の先生が懇切丁寧に、暗唱例文200ぐらいのプリントを作ってくださったのだが、それは中学生の復習から始まって高校初級に至るまでのいわゆる英語学習の核になるものだった。もしそれを完全にマスターしていれば、もっと容易に英作文力がついていたのではないかと思う。

まず、基本暗唱例文集の選択だが、左ページに英文、右ページに日本文が対比して書いてあるものが望ましい。ただし、市販の熟語集、構文集はサイズが小さいので、それをB4の紙に自分で音読しながら書き写してみる(もしくはパソコン、ワープロで作成する)のも一案だと思う。

 CD付英語構文必修101(増進会出版社):1000円+税」<初級>
◆崑膤愼?邂典用英語構文500(南雲堂):900円+税」<初級>
「大学入試超頻出英文ハイパートレーニングBEST300(桐原書店):1300円+税」<初級・中級>
ぁ岷儻譴旅淑牽隠毅(美誠社):1,315円+税」<初級・中級>        
ァCDで覚えるNext Stage(桐原書店:1280円+税」<初級・中級>
Α屮疋薀乾鵐ぅ鵐哀螢奪轡紂Υ靄椡冓牽隠娃(講談社):1400円+税」<中級・上級>

といったところがお勧めである。

 ↓◆↓い魯ーソドックスな暗唱例文集。イ亙庫〔簑蟒犬NEXT STAGE準拠の暗唱例文集だが、PART1文法編514個を覚えることが最優先。一冊全部だと1380個もあるのですべて覚えるのは現実的ではない。は東進予備校の超名物講師である安河内哲也氏の執筆したもので、CDもバックミュージック付きで英文も興味をひきつけるユニークなものが多い。暗唱例文を使った4択問題もついており、高1~2で暗唱例文をきっちり覚えてしまいたい人には最適の一冊であると思う。またΔ浪源嫦櫺広信氏の執筆したもので、うたい文句が「あのドラゴン桜でも使われている最強の英語例文集」となっている。タイトルは「基本」となっているが、東大、京大等の大学入試過去問に出題されている英文が数多く使われており、初級でありかつ超上級でもあるという非常に守備範囲の広い例文集である。なお、校正等で少しだけお手伝いさせてもらったので、謝辞の欄にマット・リーの名前を掲載していただいていることも付記しておきたい。

暗唱例文の覚え方としては、まずはCDを流しながら、日本語を見た後に英文を音読することを繰り返し繰り返し(最低でも何10回)やる。あるいは日本語を見ずに英文を音読するのみの訓練もいいかと思う。そして、慣れてきたらテキストを見ずにCDの音に続いて音読する訓練をする。シャドーイングという通訳養成に使用されるトレーニング法である。そして、音が完全に頭の中に入った段階で、初めてノートなどに日本語を見てそれを英文に直す訓練をする。その時、書きながら音読する、音読しながら書くことを心がけてほしい。言語を習得していく上で音読をするという作業は極めて大切なことであり、音読無くして暗唱例文の習得はありえない。1日10分でも5分でもいいから毎日音読する習慣をつけて欲しい。

(続く)

イメージ 1

イメージ 2

理由1:中学生レベルの知識を使いこなせるレベルに達していなかった。

私は中3のときまでは英語が大嫌いだった。学校の先生もやる気のない方だったし、自分も頑固で自分の勉強のやり方に固執していた。例えば、音読を重ねて正しい読み方を体で覚えるようなことは一切せず、英単語を覚えるときはローマ字読み。dictionaryをディクチオナリーと読んで覚えていた。(嘘のような本当の話・・・) また、長文を読んでいく中で出てきた単語、熟語等を辞書でチェックしたり単語ノートを作ったりといったことをせず、塾で与えられていた単語集を頭から覚えまくっていた。しかも正しく音読することをほとんどせずにひたすら紙にスペルを書きまくっていた。英作文が得意でないと嘆いている人たち、いかがだろうか。ひょっとしたらこんなやり方で英語学習に取り組んでいないだろうか。とにかく、このようなやり方で中学レベルの英語を使いこなせるレベルまで到達するはずもなく、高校で英作文が上達せずに悩んだ理由はこの頃に原因があると私は強く確信している。

さて、そんな私が高校時代に英語に興味を持ち、大学は英文科に進んだ。そして、大学一回生の時から6年間、塾で主に難関高校合格を目指す中学生の指導に携わった。教え子達は自分の至らない授業によくついてきたなあと今さらながらにしみじみ思うが、私自身は彼らの英語指導に携わる中で、単語、熟語のテストを嫌というほど繰り返し作ったり、生徒の志望校の過去問を使った英作文添削を重ねたり、幾多の文法問題を解いたりしていく中で、中学レベルの英語は完全にマスターしたと思う。

私は1997年4月から奈良県の私立進学校C学園で教鞭をとることになったわけだが、それに備えて1996年大手予備校駿台の夏期講習を受講した。恩師竹岡広信氏(2006年3月にNHK「プロフェッショナル」で特番が組まれた、カリスマ英語講師。著書「ドラゴンイングリッシュ」は漫画「ドラゴン桜」のモデルとなったらしい・・・・)と駿台英語科のエース桜井博之氏(京大や阪大の青本を執筆している駿台英語科の中心人物。)の授業には、改めて目からうろこが落ちる思いだったが、講習受講者の特典として京大模試が無料で受けられるというものがあった。もちろん私は興味本位で受験してみた。現役のときには歯が立たなかった試験だが、なんと成績優秀者の欄(もちろん英語だけ。偏差値は70を超えたのだが、一方数学などは限りなく0点に近かった(笑))に自分の名前が載ったのである。(しかし、自分より上に13人もいたのが気になるところだ。恐るべし全国トップレベルの高校生達・・・(泣)) 別に高校卒業後に京大の過去問を研究したわけでもなければ、予備校に通いつめたわけでもない。また、大学の専攻の英文学の授業が幸いしたわけでもないだろう。やはり、塾講師をする中で中学レベルの英語を繰り返し、繰り返しやって自由に使いこなせるレベルに持っていったことが、京大の模擬試験(英作文が150点中の50点の配点を占める)でまあまあ納得のいく点数の取れた一番大きい理由だと思う。「中学英語をやって京大の問題が解けるのか?」と懐疑的だった方々も少しは納得していただけただろうか。

それともう一点。「中学生で英作文ができるのか?」といった疑問についてであるが、答えはYESである。確かに、語彙や文法といったことを考えると書ける範囲は限定されるが、必要最小限のものは中3前半ぐらいまでのもので十分だと思う。例えば、かつて勤務していた京都の某有名大学付属校であるR中学校では、ニュージーランド研修に備えて、「自分のこと、自分の国のことを英語で表現して、写真や雑誌の切り抜きなどを貼り付け、オリジナルのアルバムを作ろう。」という取り組みを行っていた。まず生徒が書いてきた英作文をネイティブの先生にチェックしてもらい、生徒はそれを訂正したものを再提出する。そして次に日本人教師(つまり私)が再チェックして、添削、提出を続け、最終的に清書を書いて一冊のアルバムを作りあげるというものである。確かに書く内容が生徒本人が納得のいくレベルに達しないことは少なくなかったが、知っている範囲で自分の伝えたいことを書いてみるということは中2でも十分できるんだなあと感心した。ちなみに、一緒に仕事をさせていただいていた英語科主任の先生が前回担当された学年は、中学卒業時までに70~80人(総勢200人強のうち)が 英検準2級(高一レベル)を取得したそうである。(また、C学園で教えていた生徒で現役で京大、東大に合格した生徒達は、中3時に英検2級を取得していた。恐るべし中学生たち・・・)アルバム作成を含め、総合的な英語力向上を目的としたご指導の賜物であろう。すばらしいことだとつくづく思う。

もう1つ興味深い話を。以前勤務していたC学園で聞いた話だが、現役で東京大学に合格した某生徒はあるものを使って英語の勉強に勤しんだらしい。何を隠そう、中学生の時に使った文部科学省の検定教科書である。なんでも、教科書を暗記できるほど徹底的に音読したらしい。その生徒はもちろん英語は出来たらしいが、それにも関わらず難しい問題集でなく中学の教科書を使うということが興味深い。すなわち、できる生徒だからこそ何をやれば力がつくかわかっているのだろう。検定教科書に書かれている英文は洗練されており、かつ平易である。特に中3の教科書に出てくるレベルの英文が書ければ、京大レベルの英作文であろうが敵ではないと思う。

個人的な意見だが、大学入試を控えた受験生が英作文の訓練をするときに中3の検定教科書を使ってみるというのはいかがだろうか。まず先の生徒のように徹底的に音読をする。(最低通しで10回以上。)そして、英文がだいぶ頭に入ってから、ノートの上3分の1ぐらいを使って英文を和訳したものを書き出す。そして、1日おいてからノートの下3分の2のところに上記の日本文を英訳して、最後に教科書本文と比べてみる。こうすれば、平易な英文を的確かつ自然な日本語に直す訓練にもなるし、かつ阪大の自由英作文をはじめとする英作文対策としてもかなりの効果が期待できると思う。ともあれ、中学生レベルの既習事項を縦横無尽に使いこなせるようになることの大切さをお分かりいただけただろうか。ここを通らずして英作文上達は果たせないので、なにかの参考にしていただければ幸いである。

(続く)

イメージ 1

重要情報!

大学受験応援サイト「田平の目で見る英語」http://homepage2.nifty.com/catenglish/
あのジーニアス英和辞典の執筆者でもあり、受験英語の達人でもあり、マットリーの恩師でもある田平稔先生のホームページです。受験を制覇するための重要情報がブログを中心に展開されていきます。ブログにはマットリーもたまに記事を投稿しています。必見!! (12月17日時点でアクセス件数476771のお化けサイトです。)

さて、今回から数回に渡って、「英作文の秘訣」という題目で記事を執筆しようと思う。


国公立2次試験で合否を左右する英作文を苦手とする人は少なくない。でも、いったん得意になってしまえば英作文ほど他の人と差がつく分野もないと思う。そこで、マット・リーの学生時代の経験も踏まえて、効果的に英作文力をつけていく方法を検討してみようと思う。

英作文上達のコツを一言で言えば、「中学レベルの単語、熟語、構文、文法を使いこなし、かつ実際に書く訓練をすること。」である。そう言ったら、「そんなん言うたかて、中学生レベルの知識で京大の英作文が解けるのかいな?」、「実際、中学生が英作文なんてできるか?」といった懐疑的な声があちこちから聞こえてきそうである。私は高3の頃英語は超得意教科で、全統記述模試の偏差値で言えば70を割ることはほとんどなかった。(ちょっとだけ自慢?でも、数学がその半分程度であったことも付け加えておきたいが・・・(笑))しかし、英語だけは絶大の自信を持って受験した京大実戦では壊滅状態。偏差値で40程度だったと思うが、英作文に至っては手も足も出なかった。英語に対する自信が木っ端微塵に打ち砕かれた瞬間だった。あまりにそのショックが大きかったために高3の夏休みは超不得意教科の数学を勉強することもなく、「コペルニクス英作文(研究社)」を使ってひたすら英作文の修行に励んだ。おかげで2学期にはその効果が出始めて英作文でもましな点数が取れるようにはなったが、そのために払った犠牲はあまりにも大きかった。現役で国公立に合格したい人は、決して、決して、真似をしないように!(数学命!!!!国語命!!!!)

さて、話は本題に戻るが、そこまで徹底して英作文をやったけれども当時の自分は英作文力がなかったと言わざるを得ない。現在英語教師としての自分の目で見て、その理由をいくつか挙げることができる。

英作文が得意でなかった理由4カ条

理由1:中学生レベルの知識を使いこなせるレベルに達していなかった。
理由2:核となる基本暗唱例文が頭に入っていなかった。
理由3:日本語を読みほぐす国語力が不十分だった。
理由4:実際に英文を書いてみる訓練が不足していた。

以上、それぞれコメントを加えながら検証してみようと思う。

(続く)

イメージ 1

普通9ヶ月もアメリカに滞在していたら劇的に英語力が伸びるとお思いだろう。分かりやすい例でいうとTOEICのスコアがある。私は渡米前の2000年7月に8回目の受験で840点(リスニング400点、リーディング440点)を出していたのだが、帰国直後の2001年5月の受験で875点(リスニング  440点、リーディング435点)にしかならなかった。たった35点しか上がらなかった・・・・(涙)   
結論。海外経験が長いだけでは語学力のアップにはつながらないということである。やはり、しっかりとした目的意識を持ってどれだけのノルマを自分に課して、計画的に学習できるかどうかがカギになると思う。もちろん、私は英語圏の国に滞在経験がなかったので、人並み以上の動機付けはあった。だが、現地では「留学」ではなく「遊学」だったわけで、机に向かって猛勉強というのは一切しなかった。はっきりと覚えていることといえば、々?佑寮古未燭舛箸弔襪鵑納鬚鮗爐澹鬚錣掘△い錣罎襯離潺絅縫院璽轡腑鵑鬚箸辰討い燭海函渡米一年目のイチローの試合を見にシカゴの球場まで足を運んだこと。B膤悗領世凌事が肌に合わず、ひたすら筋トレに励んだ結果、ウエイトがかなり引き締まったこと。つ拘鋧找肪罎縫縫紂璽茵璽やラスベガスに旅行に行って見聞を広めたこと。などである。

では何が変わったか。それは「ハッタリをかませるようになったこと」、「自分がかつて恥じていた、コ
テコテの日本人英語を誇りに思うようになったこと。」である。平たく言えば、経験に基づく自信を身に
つけて帰ってきたということである。例えば、アメリカ帰りというだけで、帰国後すぐに英会話スクール
での非常勤講師の職を見つけられた。またその後受けた京都の公立高校の採用試験にも合格することができた。9ヶ月前と大幅に英語力がそれほど変わっていないにも関わらずである。

教職に復帰してからも、アメリカではこういう表現が使われていたよ、これはネイティブがあまり言わなかったなあ、と言うだけで生徒は妙に納得してくれるようになった。言葉は乱暴だが、「ハッタリ」をかませるようになったわけである。もちろん、ハッタリの裏づけになるだけの勉強は、帰国後それなりに続
けている自負はある。私本人の名誉のために付記しておきたい(笑)。

そして二つ目の変化であるが、かつてあれほどコンプレックスを持っていた自分のコテコテの日本語なま
りの英語にも自信が持てるようになった。今では、仮に発音が美しくないと言われようとも、「自分の英
語は関西弁ベースのシカゴなまりだ。これで十分コミュニケーションはとれんねん。なんか文句ある か。」と自信を持って言うことができる。

極論になるかもしれないが、たとえLとRの発音をうまく使い分けられなくても、たとえFとVの発音がうま
くできなくても、強弱をしっかりつけて大きい声ではっきりしゃべる、そして何よりも伝えたいんだという気持ちを自分の言葉に込める。そう、言葉は気合である。このことを全英語学習者が自然に意識できるようになったとき、日本人の英語コンプレックスは解消されるのではなかろうか?そう信じてやまない今
日この頃である。

イメージ 1

よく「英語は1日勉強しなかったら3日後退する。」と言われるが、私はそれを身をもって体感したわけである。母国語である日本語は毎日使うのでそれほど大幅に後退することはないが、英語は意識的に継続して学習し続けなければすぐに後退してしまう。特に大学入試に向けて英語を勉強している人は、理系だろうが文系だろうが、1日30分でも1時間でもいいから毎日英語の学習を続けてほしい。Practice makes perfect!(練習が完璧な状態を作る。→習うより慣れろ!)という言葉を肝に銘じておいてほしいと切に思う。

PS.
以前、中学3年生で2人が英検1級に合格した某中高一貫校があることを紹介したが、この学校の英語の先生とお話をする機会があった。 この先生も5回目の挑戦で英検1級を取得されたそうだが、次のようにおっしゃっていた。「今まで趣味でもなんでも途中であきらめてしまったものはいっぱいあるけど、今でもやめずに続けているのは英語だけだよ。やっぱり、英語って自分を裏切らないからねえ。」

同感である。語学に才能は必要なく、要は地道に続けることができるかどうかである。石の上にも3年。マット・リーの場合、石の上にも20年(笑)。まあ、俗に「継続は力なり。」と言うが、私に言わせたら「継続は才能である。」となる。何事においても、世の中には継続できない人のほうが多いわけだから、1つのことを愚直に続けられる人はある意味で才能のある人だと思う。English will not betray you, so just keep plugging!

↑このページのトップヘ